外食のとき、何を頼めば太らないのか。その一つの悩みに答えるだけのアプリ「MenuFit」が、推定で月1億円以上を稼いでいます。リリースから、まだ1年ほどです。
作者によると、オンボーディングを始めた人の99.8%が、最後の課金画面までたどり着くそうです。動画で紹介した内容を、実際の画面とあわせてまとめます。
作ったのは、元アスリートのフィットネスコーチ
作ったのは、コール・コスコ(Cole Kosco)氏。大学でスポーツをしていた元アスリートで、そのあとはフィットネスのコーチをしていました。
2025年、コスコ氏はTikTokで、チェーン店のメニューを比べる動画を出し始めます。たとえばチポトレなら、たんぱく質65グラムで500キロカロリーのボウルと、たんぱく質はほぼ同じなのに1,400キロカロリーのブリトー。
動画のコメントに「Food」と書いた人には、チェーン店ごとのカロリーをまとめたPDFを送りました。6本ほどの動画で、送ったPDFは約50万部。「外食で何を頼めばいいか知りたい人」がこれだけいることが、アプリを作る前に分かっていたわけです。
PDFをアプリにした「MenuFit」
2025年8月、このPDFをアプリにしたのがMenuFitです。行くお店を選ぶと、目標に合ったメニューの組み合わせを、カロリーとたんぱく質つきで出してくれます。
カロリー管理のアプリの多くは、食べたものをあとから記録します。MenuFitは、注文する前に「何を頼むか」を決めるためのアプリです。
オンボーディング:外食の悩みに絞った約30画面
最初に聞かれるのは、目標と、1週間に何回外食するか。続いて「外食で一番困ることは?」「いつもどうやって注文を決めている?」と、外食に絞った質問が続きます。
身長と体重を入れると、印象的な画面が出てきます。同じサブウェイでも、片方は1,230キロカロリー、もう片方は430キロカロリー。「外食での選び方の間違いが、ダイエットを台無しにする」という一文と並べることで、このアプリが要る理由が1画面で伝わります。

そのあと「世界中のレストランに対応」と見せてから、よく行くチェーン店を選ばせます。最後は「あなた専用の外食メニューを作っています」というローディングを経て、最初のおすすめメニューが出てきます。
約30画面もあるのにほぼ全員が最後まで進むのは、答えるほど「自分のためのメニュー」ができていく感覚があるからです。
課金画面:先に不安を消し、閉じようとした人には14日間
アカウントを作ると、課金画面に進みます。その手前で出てくるのが「無料期間が終わる前にお知らせします」という画面です。ここで通知の許可をもらい、知らないうちに課金される不安を先に消しておきます。
課金画面は7日間の無料トライアルつきで、年額と月額の2択。年額が最初から選ばれています。ここで閉じようとすると、無料期間を14日間に延ばすオファーが出てきます。

作者によると、課金画面までたどり着いた人の40〜45%が、無料トライアルを始めるか課金しているそうです。
集客:セリフなしのコントと、伸びた動画を広告に回す仕組み
集客の中心はショート動画です。350万回再生された動画は、ファストフードをがっつり食べる男性に、隣の女性がアプリでヘルシーな注文を探して差し出す、セリフのないコント。言葉がなくても、外食でも健康的に選べるという使い方がそのまま伝わります。
公式アカウントでも、人気メニューのカロリーとたんぱく質を見せる短い動画を出しています。
クリエイターへの払い方も独特です。最初に採用された動画は1本20ドル。よく伸びた動画はMetaの広告で配信し、その広告費の10%をクリエイターに払います。当たる動画を見つけて、広告で一気に広げる仕組みです。
※ 売上は海外メディアの記事(AppMagicのデータをもとにした推定)、99.8%と40〜45%は作者のインタビューでの発言で、第三者による確認はしていません。再生回数は動画を作った時点のものです。