何人も医者を回ったのに、誰にも分かってもらえない。そんな体験をした2人の大学生が作ったアプリが「Juno」です。慢性の病気を抱える人が、話しかけるだけで症状を記録してくれるAIアプリで、公開からおよそ1年で30万人以上が使うアプリになりました。2026年6月には、月の売上が8万ドル(約1,200万円)です。
動画で紹介した内容を、実際の画面とあわせてまとめます。
作ったのは、診断まで14年かかった咳に悩んだ学生
作ったのは、ロンドンの大学UCLで学んだ、アイザック・トリー氏とマーシャル・グールド氏。トリー氏は子どものころから、理由の分からない咳がずっと続いていました。扁桃腺を取っても治らず、何年も専門医を回ります。
病名が分かったのは、大学に入ってから。好酸球性気管支炎でした。診断まで、14年かかったそうです。大学で同じような症状の友達に出会い、初めて分かってもらえたと感じたといいます。
「普通の疲れを、忘れてしまった」
もう一人のグールド氏は、大学に入ってすぐ、熱やめまい、頭にもやがかかったような不調が始まりました。本人は「毎日が疲れていた。普通の疲れがどんなものか、忘れてしまった」と書いています。睡眠を測る指輪をつけると、深い眠りは一晩でたった5分。慢性疲労症候群と分かるまで、およそ4年かかりました。
2人がたどり着いた答えは「自分で、自分の味方になるしかない」。そして2025年秋、Junoを公開します。
もう、説明し直さなくていい
診察の時間は短く、行くたびに症状を最初から説明し直さないといけない。Junoには、友達にメッセージを送るように症状を話すだけです。記録を覚えていて、悪くなるパターンを見つけ、診察の前にまとめを作ってくれます。
2026年には、アメリカの有名な起業支援プログラム「Y Combinator」に選ばれました。App Storeの評価は4.8で、1万件を超えています。しかも、最初に伸びたのは広告ではなく、自分たちの投稿でした。
オンボーディング:「1位」と「研究」で安心させる
最初に見せるのは「慢性の病気のアプリで1位」と「25万人のコミュニティ」。続いて、オックスフォード大学などの研究に支えられていることを見せます。

課金画面:「証明はいらない。あなたを信じます」
課金画面の前には「Junoは、つくりからプレミアム」という画面があり、広告は出さず、健康のデータも売らないこと、利用料が開発を支えていることを説明します。
そして課金画面を閉じようとすると、「仕事がない人、収入が少ない人、学生は、支援プランが使えるかもしれない」。しかも「証明はいらない。あなたを信じます」と添えています。

お金に困っている人を、置いていかない作りです。
集客:創業者本人の「だから作った」
集客でいちばん伸びたのは、創業者本人の投稿です。「診察で言ってはいけないこと」というスライドが250万回再生。最後に本人が顔を出して、「だから僕は、このアプリを作った」と締めくくります。
同じ悩みを持つ人の話だから、まっすぐ届きます。
※ 利用者数と診断までの年数はY Combinatorの会社ページと発表、月の売上は2026年6月のProduct Huntでのトリー氏の投稿、App Storeの評価は2026年10月時点の表示によるもので、第三者による確認はしていません。グールド氏の体験と言葉は、Juno公式サイトの「About」によるものです。「25万人のコミュニティ」はアプリの画面での表示です。この記事は病気の治療法ではなく、アプリの作り方を紹介するものです。再生回数は動画を作った時点のものです。